新幹線での英語アナウンス

 少し前から、新幹線で乗務員による英語のアナウンスを耳にするようになりました。アナウンスといっても、到着時に停車駅名と開くドアの指示だけです。私の記憶では、たしか次のようなアナウンスだったと思います。

 「We are stopping at Nagoya station. The doors on the left side will open.」(まもなく名古屋駅に停車します。左側のドアが開きます。)

 初めはダイヤ改正の端境期のために音声テープでの対応が間に合っていないのかと思っていたのですが、その後も続いているので英語でのアナウンスが正式な対応になっているようです。

 乗務員の方も慣れていないのか、ぎこちない英語で大丈夫なのかと思うときもありますが、収録された音声案内でなく、その電車の乗務員が生の声で情報を伝えることは良いことだと思います。今後、伝える情報が徐々に増えていくのかどうか、注目していきたいです。

 それよりも、新幹線には、旅行者のための荷物置き場を設置するのが急務なのではないかと思います。ここ数年、外国人旅行者がスーツケースなどの大きな荷物をもって新幹線に乗り込む光景をよく見るのですが、新幹線にはそのスーツケースなどを置く専用の場所がありません。多くの人は車両の最後部座席の後ろに置いているのですが、十分なスペースはなく、また出入口付近なので乗降時に混乱していることがあります。

 フランスのTGVでは、各車両に荷物を置くスペースが確保されており、スーツケースを持ち込んでも置き場に困ることはありません。それでも、旅行客が多い時はスペースに収まらず、重ねて置いたりするなどしなければなりません。日本の新幹線でも、旅行者のための荷物置き場を設置するのが良いのではないでしょうか。

 もう一つTGVと違うのは、日本の新幹線にはファミリー向けの座席・スペースがないことです。TGVでは家族連れの旅行者のために、一般席とアクリル板で仕切られたボックス席(4席+4席の合計8席分)が各車両にあります。ここだと子どもが少し騒いでも他の乗客に迷惑をかけることはないため、小さい子をもつ家族にとってはとてもありがたい配慮です。子どもがいると大人の料金が割引になるのもうれしいサービスです。

 また、TGVでは、子どもの座席も無料で確保できました(いまはどうかわかりませんが)。子どもにも座席がないと困るので、これもうれしいサービスです。しかし、日本の新幹線では乗車券をもたない子どもを自由席に座らせることもできないようです。以前、子どもを座らせていたら、車掌がやってきて「子どもは膝に置いてください」と何度もしつこく言われました。混雑もしていないのにです。それ以来、子どものために指定席を予約せざるを得なくなりました。今でもこのような対応がなされているのでしょうか。

 日本の新幹線は「ビジネスパーソンの乗り物」という性格が強く、外国人旅行者や小さい子どもにはフレンドリーではないというのが私の印象です。英語アナウンスにみられるように、今後徐々にでも改善されていくことを願っています。