2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

親子の引き離しに加担する日本の裁判官

最近、日本でも離婚後の「共同親権」を導入すべきとの考えが広まってきました。離婚後共同親権とは、夫婦は離婚後も婚姻中と同じく、子どもとの関係では共同親権者であり続けるということです。 現在の日本の民法では、離婚後は父母の何れかによる単独親権に…

刑事弁護人

亀石倫子(新田匡央)『刑事弁護人』(講談社現代新書)が出ました。亀石倫子弁護士は、タトゥー裁判、風営法ダンス規制裁判で無罪判決を導いたことで法曹関係者の間では広く知られています。本書は、亀石弁護士が関わった代表的な事件である「GPS捜査事件」…

立憲主義という企て

井上達夫『立憲主義という企て』(東京大学出版会)が公刊されました。本書の約3分の1を占める憲法9条論はこれまでの憲法学に対する根源的な批判であり、今後憲法学はこれに応答することが求められるでしょう。 井上先生の批判は、立憲主義を理解しようと…

「国際的な子の連れ去り」講演会

先日、大阪弁護士会館での講演会「国際的な子の連れ去り:連れ去り・再統合が子に与える影響、及びハーグ条約手続における子供に関する研究」(外務省・大阪弁護士会共催)に行ってきました。講師は、家族法政策実務国際センター共同代表および英国ウェスト…

日本に「立憲主義」は根づいたのか

憲法の最もポピュラーな体系書である芦部信喜『憲法』(岩波書店)が、今年2月に改訂されました。補訂者である高橋和之先生(東大名誉教授)による「第7版はしがき」には、かなり踏み込んだ記述があり驚きました。 第1は、最晩年の芦部が、憲法9条解釈と…

「衆参ダブル選」

今年の夏に「衆参同日選挙」が行われるかどうかが、話題になっています(ここ数日で急速に下火になったかもしれませんが)。かつては2つの国政選挙が「同じ日」に行われることを強調してこのように呼ばれてきましたが、いまのメディアでは同じ日に衆院選と…

子の連れ去りとハーグ子奪取条約

日本でハーグ条約が発効してから、4月1日で5年が経過しました。ここにいうハーグ条約とは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」です。日本では一般に(ハーグ)子奪取条約と呼ばれます。 ハーグ子奪取条約の一番のポイントは、一方の親が(Taki…

丸山穂高議員に対する糾弾決議について

6月6日、衆議院で丸山穂高議員の糾弾決議が全会一致で可決されました。北方領土訪問事業での言動を理由に、同議員には国会議員としての資格はなく、自ら進退について判断せよ、というものです。これは事実上の辞職勧告でしょう。 注目すべきは、戦争によっ…

裁判官とJustice

先日、映画「RBG 最強の85才」(http://www.finefilms.co.jp/rbg/)を観てきました。「RBG」とはアメリカ連邦最高裁判事であるルース・ベーダー・ギンズバーグ(Ruth Bader Ginsburg)の頭文字をとったもので、この映画は彼女の評伝です。ご本人も随所で登場…